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すぐ試せる!便秘解消マッサージのやり方とは?効果を高めるタイミングと注意点

お腹・腸のお悩み
# 健康
すぐ試せる!便秘解消マッサージのやり方とは?効果を高めるタイミングと注意点
執筆者
今井 茉里 医療ライター

便秘が続くと、体が重いだけでなく気分まで沈んでしまうもの。「便秘でお腹が張ってつらい」「今すぐスッキリしたい」と感じていませんか。できれば、自分でできる方法を試してみたいという方も多いでしょう。便秘による不快感やお腹の張りは、腸の動きをやさしくマッサージすることで和らぐことがあります。この記事では、すぐに実践できる便秘解消マッサージの方法と注意点から、それでも改善しないときの対処法まで、わかりやすく解説します。

1. なぜマッサージが便秘に効くの?

便秘の多くは、腸の動きが弱くなったり、緊張やストレスでお腹がこわばったりすることで起こると考えられています。マッサージは、こうした状態にやさしく働きかけ、腸の働きを助けるひとつの方法です。では、マッサージがなぜ便秘の改善につながるのかを見ていきましょう。

腸のぜん動運動をサポート

マッサージは、腸内の食べ物や便を送り出す力「ぜん動運動」を後押しすると考えられています。

便秘のとき、腸は便を運ぶ力が弱くなっています。腸は本来、内容物を押し出すように収縮を繰り返しながら便を少しずつ先へ運びます。この動きが鈍くなると、便が腸内にとどまりやすく、排便しにくくなる場合があります。

お腹の上から優しくさすったり押したりするマッサージをおこなうことで、腸に刺激が伝わり、腸内にとどまっていた便を出口へ送りやすくなります。

副交感神経を優位にしてリラックス

マッサージは、腸が働きやすい「リラックスした状態」へ導く効果があります。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、ストレスの影響を受けやすい臓器です。緊張しているときやイライラしているときなど、ストレスがかかると交感神経が優位になり、腸の動きも止まりがちになります。

一方で、リラックスしているときや眠っているとき、入浴中などは副交感神経が優位になり、腸はよく動きます。マッサージで体と心がゆるむことで、この状態がつくられ、腸の働きがスムーズになり、便秘の改善をサポートします。

2. おすすめの便秘解消マッサージ

便秘のタイプやお腹の張り方に応じて、いくつかのマッサージを組み合わせることで、よりスムーズなお通じが期待できます。自宅で手軽にできる、代表的な便秘解消マッサージを見ていきましょう。

基本の「の」の字マッサージ

お腹のうえで「の」の字を描くようにさする、基本のマッサージです。腸の形や流れに沿って優しく刺激できるため、高齢の方や生活習慣の影響で腸の動きが弱くなっているタイプの便秘に向いています。

仰向けに寝て、ひざを軽く立ててお腹の力を抜きます。おへその右下あたりからスタートし、おへそのまわりを時計回りに「の」の字を描くように、手のひら全体でゆっくり3〜5周さすります。

脇腹から下腹部にかけても、優しくもみほぐし、合計で10分程度を目安におこないましょう。強く押す必要はありません。気持ちいいと感じる強さで続けることが大切です。

お腹に痛みがあるときや、強く張っているときは無理におこなわないでください。

S状結腸を刺激するマッサージ

お腹の左下あたりには、S状結腸(えすじょうけっちょう)と呼ばれる部分があります。S状結腸はカーブがきつく、もっとも便が詰まりやすい場所です。ここをやさしく刺激することで、たまった便が出口のほうへ動きやすくなります。
腸の動きが弱くなっているときや、便が硬くなって出にくいタイプの便秘に向いています。

仰向けになり、左の骨盤の少し内側あたりに手を当てます。人差し指から薬指までの3本の指をそろえて、円を描くようにゆっくり押します。10~20回ほど押したら少しずつ下へずらし、足のつけ根のほうまで続けましょう。

痛みを感じるほど強く押さず、指でお腹が少しへこむくらいのやさしい圧力加減でおこないましょう。

合谷のツボ押し

便秘を今すぐ何とかしたいときや、ちょっとした隙間時間に手軽にできる方法として、手にある「合谷(ごうこく)」というツボ押しをおこなう方法もあります。

合谷は、親指と人差し指を広げたときにできるくぼみのあたりで、2つの指の付け根の骨が交わる内側にあります。

合谷のツボ押し

合谷のツボを反対の手の親指と人差し指ではさみ、ゆっくり5回程度押します。左右どちらもおこないましょう。気持ちいいと感じる強さで、呼吸を止めずにおこなうのがポイントです。

グリグリと強く押しすぎてしまうと、逆に炎症を起こしてしまうため注意しましょう。また、ツボの辺りが痛む、熱を持っている、腫れているなどの場合はツボ押しをおこなわないでください。

3. 便秘解消マッサージの効果を高めるタイミング

マッサージは、いつおこなうかによって効果の出やすさが変わる場合があります。腸が動きやすいタイミングにおこなうことで、よりスムーズなお通じにつながりやすくなるでしょう。せっかく取り入れるなら、腸が動きやすい時間帯を選びたいところです。効果を引き出しやすい時間帯を確認していきましょう。

起床時

起床時は、自然なお通じにつながりやすいタイミングといえます。朝は腸が目覚めて動き出しやすい時間帯です。

起きてすぐにコップ1杯程度の水や白湯を飲むと、空っぽだった胃に刺激が入り、腸が活発に動き出します。このタイミングでマッサージをおこなうと腸の動きをやさしく後押しでき、自然なお通じにつながりやすくなるといわれています。

例えば、トイレに行く前にベッドの上で「の」の字マッサージをおこなうだけでも、便意を感じやすくなることがあります。毎朝の習慣として取り入れることで、お通じのリズムを整える助けになるでしょう。

入浴中や入浴後

入浴中や入浴後は、よりマッサージの効果が出やすいタイミングです。お風呂に入って体が温まると血流が良くなり、腹部の筋肉もほぐれてお腹がゆるみます。

また、入浴中やリラックスしているときは副交感神経が優位になり、腸の動きが活発になりやすい状態になります。そのため、このタイミングでおこなうマッサージは刺激が腸に伝わりやすく、より効果が期待できるのです。

湯船につかりながらS状結腸のあたりを優しく刺激したり、お風呂上がりのポカポカした状態で「の」の字マッサージをおこなったりするのがおすすめです。
入浴中や入浴後は、特に冷えやすい方やお腹が張りやすい方にとって、取り入れやすいタイミングでしょう。

就寝前

寝る前は体と心がゆっくり休息モードに入り、腸も動きやすくなるため、マッサージをおこなうのにいいタイミングです。

「の」の字マッサージは、寝た姿勢で腸全体をやさしく刺激できるため、就寝前に取り入れやすい方法です。便が下のほうにたまっている感覚がある場合は、S状結腸を優しく刺激してみましょう。

布団の中でリラックスしながらマッサージをおこなうと、眠っている間の腸の動きをサポートでき、翌朝のスムーズなお通じにつながりやすくなります。照明を落として深呼吸をしながらおこなうと、よりリラックスしやすく、マッサージの効果も感じやすくなるため、毎晩の習慣として取り入れてみましょう。

4. こんなときは便秘解消マッサージを控えましょう

便秘に役立つマッサージですが、体の状態によってはおこなわないほうがよい場合もあります。無理に刺激すると、かえって体調を崩す原因になることもあるため、避けたほうがよいケースを事前に確認しておきましょう。

食後すぐや飲酒後

食後すぐや飲酒後は、便秘解消マッサージを控えましょう。食後は、消化のために血液が胃に集まっている時間帯です。このときにお腹を強く押したりもんだりすると、消化が妨げられ、胃もたれや腹部の不快感につながることがあります。

食事の内容や量、そのときの体調によって適切なタイミングは異なりますが、食後ではなく、しばらく時間をあけてからマッサージをおこなってください。

また、飲酒後は体が熱っぽくなったり、感覚や判断力が鈍くなったりしやすい状態です。そのため、自分では加減しているつもりでも、思った以上に強い力でお腹を刺激してしまうことがあります。

さらに飲酒後にマッサージをおこなうと、顔のほてりや動悸、めまい、頭痛、吐き気などの不調があらわれることもあります。

アルコールの分解にかかる時間や影響の出方は、飲酒量や体質によって異なります。「少量だから大丈夫」と過信せず、飲酒後はマッサージを避けるようにしましょう。

腹痛がひどいときや発熱時

強い腹痛や発熱があるときは、便秘解消マッサージをおこなわないでください。
このような状態の場合、腸の炎症や感染症、ほかの内臓のトラブルなど、便秘以外の病気が関係している可能性があるためです。

お腹を押したりもんだりすると、刺激が加わって痛みが強くなったり、症状が悪化したりするおそれがあります。また、回復が遅れることも考えられます。

いつもと違う強い痛みや発熱を感じるときは、自己判断でマッサージをせず、安静にして医師に相談しましょう。

妊娠中の方や手術直後の方

妊娠中の方や腹部の手術を受けた直後の方は、便秘解消マッサージをおこなう前に、必ず主治医に相談してください。

妊娠中はホルモンの影響などで便秘になりやすい一方で、お腹を強く圧迫すると、母体や赤ちゃんに負担がかかるおそれがあります。また、腹部の手術後は腸や周囲の組織がまだ完全に回復していません。癒着などの可能性も考えられます。

このような状態でマッサージをおこなうと、痛みやトラブルにつながる場合があります。自己判断でおこなわず、医師の指示に従うことが大切です。

5. マッサージでも出ないときは 無理せず便秘薬の力を借りよう

マッサージは腸の動きを後押しする方法ですが、便が硬くなっている場合、いくら腸が動いてもスムーズには出にくいことがあります。そんなときに無理にお腹を押したりいきんだりすると、かえってつらさが増してしまうこともあります。

そんなときは、便をやわらかくして出しやすい状態へ整えるタイプの便秘薬を使うとよいでしょう。酸化マグネシウムを主成分とした便秘薬なら、腸を直接刺激しないためお腹が痛くなりにくく、排便しやすい状態へ整えてくれます。量も調整しやすいため便秘薬が初めての方でも使いやすいでしょう。

マッサージで腸の動きを助けながら、便秘薬で便の硬さを調整することで、スムーズなお通じにつながりやすくなります。

6. まとめ

便秘解消マッサージは、お腹を優しく刺激することで腸の動きを助け、リラックスした状態をつくるセルフケアです。朝・入浴後・寝る前といった腸が動きやすいタイミングにおこなうことで、スムーズなお通じにつながりやすくなります。

ただし、マッサージだけですべての便秘が改善するわけではありません。水分補給や食事内容、生活リズムの見直しとあわせて、無理のない範囲で続けていくことが大切です。食後すぐや飲酒後、強い腹痛や発熱があるとき、妊娠中や手術直後などは、マッサージを控えましょう。

また、不調が長く続く場合や、いつもと違う症状がみられる場合は、自己判断に頼りすぎず医療機関への相談も検討してください。体調に合わせて無理なく取り入れながら、心地よいお通じのリズムを整えていきましょう。

執筆者

今井 茉里

医療ライター

現役薬剤師ライター。医療メディア編集経験を活かし、エビデンスに基づく医療記事を執筆。

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