便秘ケアに役立つツボ|お腹・背中・手・足のツボと押し方をわかりやすく解説
便秘に対するセルフケアとして、ツボ押しを取り入れる方法があります。ツボ押しは、日常生活の中で無理なく行いやすいケアのひとつです。本記事では、便秘ケアに役立つ代表的なツボについて、場所や押し方などの実践方法をわかりやすく解説します。ツボ押しのよくある疑問や便秘改善に必要な意識したい生活習慣についてもぜひ参考にしてください。
1. ツボ押しで便秘ケアはできる?基本の心がけ
ツボ押しは、東洋医学の考え方をもとにしたセルフケアのひとつです。体の特定の部位を刺激することで体の巡りを整え、不調を和らげる効果が期待できます。便秘に対しても、ツボを刺激することで便意を促すきっかけとなり、便秘の改善に役立つと考えられています。
ツボ押しの基本の心がけは、以下のとおりです。
- ゆっくりと、3~4秒ほどかけて押す
- 痛みを感じるほど強く押さない
- 「心地よい」「痛気持ちいい」と感じる程度を目安にします
- ひとつのツボにつき、2~3回を目安に押す
ツボ押しを行う際は、食後を避け、副交感神経が優位になりやすい夕方以降から就寝前のリラックスしやすい時間帯がおすすめです。
手だけで押すのが負担に感じられる場合や、指で押しにくい場合は、ツボ押しグッズを用いる方法もあります。
なお、ツボ押しは医学的に効果が実証されている治療法ではなく、あくまで症状の緩和を目的とした方法です。便秘の症状がひどい場合や、改善が見られない場合には、医療機関に相談しましょう。
2. 便秘ケアに効果的なツボ
ここでは、便秘ケアに効果的とされる代表的なツボを、部位ごとに解説します。ツボの場所や押し方を確認しながら、日常生活に無理のない形で取り入れてみましょう。
お腹まわりのツボ
お腹周りは、ひとつのツボを押すだけではなく、右下腹部からお腹の縁に沿って、円を描くように大巨、天枢、中脘、天枢、大巨、関元と順にツボを押していく方法も効果的です。

- 天枢(てんすう)
おへその左右の、指約3本分外側にあるツボです。
左右同時に、人差し指・中指・薬指をそろえ、お腹が軽くへこむ程度の強さでやさしく押します。
- 関元(かんげん)
おへそから指約4本分下にあるツボです。
天枢と同様に、左右同時に、人差し指・中指・薬指をそろえ、お腹が軽くへこむ程度の強さでやさしく押します。
- 中脘(ちゅうかん)
みぞおちと、おへその中間あたりにあるツボです。
天枢と同様に、左右同時に、人差し指・中指・薬指をそろえ、お腹が軽くへこむ程度の強さでやさしく押します。
- 大巨(だいこ)
天枢から指3本分下方に位置し、左右両側に存在するツボです。
両手を腰骨に置き、左右のツボを親指で同時に押します。
背中まわりのツボ
背中まわりのツボは、立った状態や椅子に座ったままでも刺激しやすく、入浴後や就寝前のリラックスタイムにも取り入れやすいのでおすすめです。

- 大腸兪(だいちょうゆ)
腰骨の高さで背骨から指2本分外側に位置し、左右両側にあるツボです。
床などの硬く平らな場所に仰向けになり、ツボの位置にテニスボールを置いて体重をかけます。ボールがツボを押すようなイメージで無理のない強さで行いましょう。
- 便秘点(べんぴてん)
肋骨の最下部から指2本分下、背骨から指4本分外側に位置し、左右両側にあるツボです。
腰に手を当て、親指でツボを押しながら、上体を左右にゆっくりひねります。
手指のツボ
手指のツボは特別な道具を使わず、外出先や隙間時間でも刺激しやすいのが特徴です。仕事の合間や移動中など、日常の中で無理なく取り入れてみましょう。

- 合谷(ごうこく)
手の甲側で、親指と人差し指の骨が合流するくぼみにあるツボです。
反対の手の親指と人差し指で挟み、軽く揉むように刺激します。
- 神門(しんもん)
手首の内側で、小指側のしわの上にあるくぼみに位置するツボです。
親指を立て、ツボの上でぐりぐりと揉むように刺激します。
足まわりのツボ
足まわりのツボは、テレビを見ながらなど、リラックスした時間に続けやすい部位です。無理のない強さで刺激することで、便秘ケアに取り入れやすいのが特徴です。

- 豊隆(ほうりゅう)
すねの外側で、ひざと足首の中間あたりにあるツボです。
座った状態で片方の足の膝を立てます。反対の手ですねを支え、親指で気持ち良いと感じる強さで5秒ほど押します。5秒押したら力を抜く、という動作を4〜5回おこないましょう。
- 三陰交(さんいんこう)
内くるぶしのもっとも高い位置から指4本分上で、すねの内側に位置するツボです。
親指を立てて、ツボを押し、左右に動かすイメージでマッサージをします。
- 足三里(あしさんり)
ひざのお皿の下外側から、指約4本分下にあるツボです。
親指や中指で、ツボの位置をこねるようにやさしく刺激します。
3. ツボ押しとあわせて取り入れたい便秘対策
ツボ押しは、便秘ケアのひとつとして取り入れやすい方法ですが、あわせて生活習慣を見直すことも大切です。ここでは、日常生活で意識したい便秘対策について解説します。
水分不足を解消する
水分が不足すると、便の水分も奪われ、硬くなりやすくなります。硬い便は腸内を移動しにくく、便秘の原因になります。そのため、便秘対策では水分補給が欠かせません。水分不足への対策として、次のポイントを心がけましょう。
日の水分量を意識し、こまめに水分をとる
成人が1日に必要とする水分量の目安は、食事に含まれる水分も含めて約2.5リットル程度とされています。この量を一つの目安とし、一度に多量の水分を摂取するのではなく、時間を分けてこまめに補給することを意識しましょう。
コーヒーやお茶のとり過ぎに注意する
コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインには利尿作用があり、飲み過ぎると体内の水分を失いやすくなることがあります。水分補給を意識する際は、水や白湯を中心的に摂取しましょう。
腸内環境を整える
腸内環境が乱れると、腸の動きが不規則になり、便がスムーズに運ばれにくくなることがあります。腸内の状態は、便の形状や排便のリズムにも関わるため、日常的に整えていくことが大切です。次のポイントを心がけてみましょう。
食物繊維を意識してとる
食物繊維は、便のかさを増やし、水分を含ませることで便をスムーズに排出しやすい状態に整える働きがあります。野菜や果物、海藻類、豆類などを継続して日々の食事に取り入れてみましょう。
発酵食品を取り入れる
発酵食品は、腸内環境を整え、便が出やすい状態を保つことに役立つとされています。ヨーグルトや納豆など無理のない範囲で継続して取り入れてみましょう。
ストレッチなどの運動を行う
体を動かすことは、腸の動きを促すきっかけになります。運動不足の状態が続くと腸の動きが低下し、便秘につながることがあるため、日常生活の中で適度に体を動かすことが大切です。次のポイントを心がけてみましょう。
ストレッチ
お腹や腰まわりを中心に体をゆっくり動かします。例えば、立った状態や座った状態で上半身を左右にひねる、前後にゆっくり倒すなど、腹部や骨盤まわりが動くストレッチを取り入れてみましょう。
ウォーキング
1日30分以上を目標に、無理のないペースで行いましょう。運動習慣のない方は、通勤や買い物の際に歩く時間を意識的に取り入れるなど、日常生活の中で続けやすい方法からはじめるのがおすすめです。
市販薬を服用する
生活習慣の見直しやツボ押しを行っても便秘の改善がみられない場合には、市販の便秘薬を活用することも選択肢となります。
市販の便秘薬には、腸の動きをサポートするタイプや、便を出やすい状態に整えることを目的としたタイプなどがあるため、便秘の状態や体調に合わせて選ぶことが大切です。
酸化マグネシウムを主成分とする便秘薬は、腸を強く直接刺激せず、比較的穏やかな作用をもつ成分のお薬として、便秘の治療に用いられています。そのため、便秘薬の使用が初めての方でも、選択肢の一つとして検討しやすいといえるでしょう。
なお、市販の便秘薬は一時的な対処として使用することが基本であり、長期的な使用は避けることが望まれます。便秘が長く続く場合や、使用しても改善がみられない場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
4. ツボ押しについてのよくある疑問
ツボ押しは手軽に試せる便秘対策ですが、やり方や効果について不安や疑問を感じる方もいるでしょう。ここでは、ツボ押しについてよくある質問をQ&A形式でまとめました。
ツボ押しは毎日してもいい?
基本的には、ツボ押しは毎日行っても問題ありません。ただし、強い痛みを感じる場合や、押した部位に内出血がある場合、体調がすぐれないときには、無理に行わないようにしましょう。体の状態に合わせて、休むことも大切です。
効果が出るまでどれくらいかかる?
ツボ押しの効果を感じるまでの期間には、個人差があります。体調や生活習慣、便秘の状態によっても異なるため、すぐに変化を感じる場合もあれば、継続することで徐々に実感する場合もあります。ツボ押しは、一度で大きな変化を期待するものではなく、日常的なセルフケアとして無理のない範囲で続けていくといいでしょう。
妊娠していてもツボを押していい?
妊娠中はお腹周りなどを避けた方がよいツボには注意が必要です。ツボ押しを行う場合は強い刺激を避け、自己判断せず、医師や助産師に相談してから行うようにしましょう。
赤ちゃんの便秘にはツボ押しをしてもいい?
赤ちゃんには、ツボ押しは行わないようにしましょう。便秘が気になる場合には、お腹をやさしく撫でるマッサージなどの軽いケアがおすすめです。それでも改善が見られない場合や、便秘が続く場合には、小児科などの医療機関に相談してみましょう。
5. まとめ
便秘対策として、ツボ押しは日常生活に取り入れやすいセルフケアです。お腹・背中・手・足などのツボを、無理のない強さで刺激することで、便秘ケアのきっかけになります。ただし、ツボ押しは医学的に効果が確立された治療法ではありません。ツボ押しだけに頼らず、水分補給や食生活の見直し、適度な運動などをあわせて取り入れることが大切です。
ただし、食事改善などのいわゆる「腸活」には個人差があります。世間で良いといわれる方法でも、体質によっては合わないことや、やりすぎると逆効果になることもあるため、無理は禁物です。
また、セルフケアを続けても便秘の改善が見られない場合や、症状がひどい場合には、市販薬を一時的な対処として活用することも選択肢となります。それでも改善しない場合や不安がある場合には、医療機関に相談しましょう。
ご自身の体調や生活リズムに合わせて、無理のない方法を選びながら、便秘ケアに取り組んでいきましょう。
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